

一般にはまだ耳なじみのない「過冷却」ということば。これは凍結点を越えても、なお凍ることなく液体のまま存在するという微妙な状態を表すものです。 液体を冷却し、凝固点に達すると凍結が始まりますが、実際には分子やイオンが整列し、結晶化するまでに時間がかかるため、液体の状態のまま温度だけが下降していくという現象が起こります。この、凝固温度を下回っても凍結せず、液体のまま存在する状態が「過冷却」です。 過冷却状態は極めて微妙な状態なため、振動などの刺激を与えると小さな氷の結晶が生まれ、分子はその結晶に向かって一斉に集まり、規則的に整列し始めます。これが凍結のメカニズムです。

過冷庫「マジコール」は、独自の技術を駆使することで安定した過冷却状態をつくり出すことに成功した世界で初めての装置。水の凍結点である-0℃を下回る -6℃付近まで温度を下げ、なお液体状態をキープするその技術によって、これまで体験したことのない冷たさと舌触り、そして味わうことのできなかったおいしさを生み出すことに成功しました。さらに、-18℃付近まで温度を下げる過冷却は、長期保存や低温熟成など、食品・飲料分野で大きな役割を果たすものと期待されています。